舞妓さん・芸妓さん

始業式と奴島田(やっこしまだ)

1月のテーマは「始業式と奴島田」花街最初の年中行事です。

何度か見に行かせてもらった事はありますが、皆さん黒紋付の正装で、挨拶、表彰などの中、ずらっと並ばれている姿は、後ろから見ていても圧巻です。

襟足は普段とは違う三本足。普段はフリーハンドですが、これは型で書くんです。そして、稲穂と干支差しと鼈甲の櫛や簪。このおめでたい飾りは、松の内だけです。

お米の稲穂。これに鳩がついているのですが、目がありません。好きな人に目を書いてもらうと結ばれるとも言われています。干支差しは、今年は戌。舞妓さんの花簪(はなかんざし)は松竹梅です。

芸妓さんと舞妓さんでは、稲穂のつける位置が違います。お写真は、今年の始業式の芸・舞妓さん。当店の前で撮らせてもらいました。干支差しは右。稲穂は左ですが、舞妓さんは干支差しは同じですが、稲穂も右です。左には花簪(はなかんざし)がくるのです。

衣装は、松の内の間は、本衣装(黒紋付)と替衣装(色紋付)。紋付の時は、ぽっちりはつけません。帯は金糸銀糸の重い帯なのにぽっちりがないので、しっかり締めないといけません。男衆さんは大変なんです。新年の始業式はサラ帯が多く、型もついてないし硬いしやりにくい上に、皆さん同じ時間に集合なので、分刻みの着付けがさらにさらに大変なんです!

舞妓さんの髪型は、割れしのぶさん(年少舞妓)はそのままですが、おふくさん(年長舞妓)は、奴島田になります。

正月や八朔など正装時の髪型です。普段のシャグマではなく舟型の油付けを使うので重いです。このいい形を作るのは、シンプルだからこそ難しいと結髪の先生が言われてました。

写真は、八朔の時のおふくさん(奴島田)と割れしのぶさん(割れしのぶ)です。向かって左の玉簪。この時は夏なので、青玉(翡翠)をしていますが、始業式は冬なので赤玉(珊瑚)になります。季節により玉簪が変わります。花簪はこの時は8月なので薄(ススキ)ですね。

奴島田は、赤い手絡を根にかけ、髷の胴には、奴玉とも言われる、翡翠玉にピンがついたもの1つを中央に、珊瑚玉が8つ紐に通されている飾りがその両横につけられます。

衣装も皆さん黒なので、絵柄が目を引きます。おめでたく、粋なものや華やかなものが目を楽しませてくれます。カメラマンのおじさま達もいまや風物詩?当店の近所にもたくさんいらっしゃいました。

では、来月のテーマは「節分とお化け」です。お楽しみに〜

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